コロナ下のぶらぶら旅 ささしまライブ駅その4 なぜ斜めなのか? 線路脇に広がる斜めの路地裏 密集する家々にワクワクとヒヤヒヤを感じる

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2021年 1月2日

あおなみ線ささしまライブ駅からスタートしたBSTは、
近鉄米野駅から笈瀬本通りを北上して、
笈瀬通交差点から西側にある裏道を通って、
またこうして近鉄米野駅に戻ってきました。


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近鉄米野駅から見ると、
北にまっすぐ伸びる笈瀬本通りと、
線路に沿って南西方向に行く道があります。


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それら二本の道の真ん中に、
斜めに入っていく細い路地を見つけることができます。


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斜めに入っていく、
というのはどういうことなのでしょうか?

縦でも横でもない、斜め。

縦が象徴するのは上昇のイメージでしょうか。
成長、発展、進歩、出世などなど。

知識や経験が増えて、やれることが多くなる。
公共工事が増えて、国民の所得が上がっていく。
医療技術の革新により、難病が克服され、寿命が延びる。
こつこつとキャリアを積み上げ、管理職になる。

一方横が象徴するのは、広がり、平等、連帯のイメージでしょうか。
つながり、協調、協働、ボーダレス、シェアなどなど。


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※参考画像 タイ―ラオス国境

国境をなくし、人、もの、金の移動をスムーズにする。
一人一人が働く量を減らし、多くの人が働けるようにする。
誰もが同じような質の医療、行政サービスを受けることができる。
ボランティアを組織して、被災地で活動する。

それでは斜めのイメージはどうでしょうか。
上昇でもなく、広がりでもないイメージ。

一つはそれら二つの中間に位置する、
いわば縦と横のバランスのイメージです。

縦のイメージは上昇ですが、
反面下降のイメージでもあります。
上昇できない場合は下降し、そこに格差が生まれます。
現在の強烈な格差社会は、縦のイメージが強すぎる
と言えるのかもしれません。

横のイメージは広がりですが、
反面縮小や孤立のイメージでもあります。
広がり、つながりができない場合は、
孤立や孤独、引きこもりになる可能性があります。
行き過ぎたグローバリズムが、その反動としての
ナショナリズムを生んでいるのも、
横のイメージと言えるのかもしれません。

斜めはそのバランスをとります。

行き過ぎる上昇や下降をおさえ、
広がりや孤立をおさえ、
どちらもほどほどのところを目指します。

バランス型の斜めのイメージに対して、
もうひとつの斜めのイメージがあります。

それは縦にも横にも依拠しない、
独自の存在としての斜めです。
バランス型は縦と横ありきですが、
もう一つの斜めは、いわば独立型です。

縦があろうが、横があろうが、全く関係がない。
そんなものとは関係なしに斜めとして存在している。
世の中が進歩しようが、どれだけ差異がなくなろうが、
おかまいなしに独自の世界観を構成している。

縦と横とはまったく異次元の世界に存在している斜め。

僕の好きな斜めのイメージはこちらの方です。


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それではさっそく、
線路脇の斜めの路地に突入していきます。

突入するなり現れるこの独自の異世界感。

ベランダがないので軒下の物干しざおや
窓の手すりに干された洗濯物の向こうに、
ささしまライブの高層ビルが顔をのぞかしています。


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ここはすごいですね。
車も通れないような細い路地裏が、
縦横無尽に張り巡らされている感じです。

背の高い建物など一つもなく、
二階建ての棟割り長屋、平屋の長屋、
アパートなどが密集しています。

線路脇というのはそもそも、道路が鉄道に寸断されていたり、
線路に合わせて道路が曲がっていたり、
また騒音などもあるので、再開発が進みません。

そのため、ほかの地区に比べて独自の発展をしていたり、
独特の雰囲気を持っていることが多いと思います。


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※ベトナム ハノイ
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※インド コルカタ

旅先で見かける線路脇は、
特に都市部においては異空間になっているので、
僕が好き好んでぶらぶらする場所の一つです。

発展から取り残されるというよりは、
まったく別の空間を作り上げている感じです。


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さて斜めの路地裏では、
ちょっとした広いスペースに出ました。

足を踏み入れてみます。

駐車場、というほど整備されておらず、
公園というわけでもありません。
砂利が敷かれた部分の脇は、雑草が生え放題です。

本来であれば、線路脇の路地裏にはこのような
広いスペースはありません。
奥に見えるような錆びたトタン壁のアパートや長屋が、
隙間なくびっしりと立ち並んでいたはずです。

おそらくはこのスペースもかつてはそうだったのでしょう。
建物は老朽化で壊されたのか、それともやはり
この場所にも再開発の波が迫ってきているのかもしれません。


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そう思って横を向いた時に、
思わず、「あっ」と声をあげました。
これはなんという心躍る光景でしょうか。

生い茂る雑草、錆びて赤茶けたトタン壁。
その向こうにそそり立つ摩天楼。
なんというコントラスト。
なんというアンバランス。

上に上に伸びていく、最先端の高層ビル。
横に横につながる昔ながらの住宅群。
縦と横、今と昔、その二つのバランスを取るのではなく、
あたかもその二つを同時に含み、
しかもそこから完全に別のものとして
立ち現われているこの光景。

まさしく斜めの路地裏にふさわしいのではないでしょうか。


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路地裏の中ほどに、
水色に塗られたトタンでできた家を発見です。
日本の路地裏ではあまりお目にかからない、
色彩感覚です。


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※インド バーダーミ

これはインドですが、
こういう感覚に近いですね。

僕は常々、日本の路地裏には色が、
とくに鮮やかな色が足りないと思っていましたので、
ここでこうした水色の家に出合えることを
うれしく思います。

日本の家はだいたい茶色、黒、白などが多いですね。
地味で渋い味わいがあっていいとも思うのですが、
もう少し鮮やかな、明るい色があってもいいと思います。


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それにしてもこのあたりの路地裏感は本当にすごいですね。
道が狭く、家が密集しています。
車が入ることが想定されていないので、
あきらかにmotorizationの前に形作られた集落です。

道が狭いことにより周りが見通せないので、
次の角を曲がると何が現れるんだろうという
ワクワク感が常にあります。

同時に道と家との距離が近いので、
まるで人の家の一部、家の庭や裏口にお邪魔しているような、
居心地の悪い感覚にもなります。

おそらくこんな細い路地裏を、そこに住んでいる人や
その知り合い以外は通らないでしょう。
僕のような部外者がぶらぶらとしていたら、
泥棒にでも間違われるかもしれません。

「おい、こら!
ここで何やってるんだ!」

いつそんな感じで声をかけられるのかと思うと、
ひやひやドキドキします。

しかしこうした細い路地裏を持つ集落は、
まるで集落全体が一つの家であるかのようにすることにより、
外敵の侵入を防いできたのかもしれません。


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さて、この線路脇の斜めの路地裏に存在している、
異世界感たっぷり、
つまり旅の香りたっぷりの集落を抜ける時が来ました。

張り巡らされた細い路地、密集した背の低い家々、
開発が進まずに、時代が一つ違ってしまっているような地区。

そこから抜ける道はなんと、
両側がコンクリートブロックの塀という、
まさに究極の路地。

この先にはいったい何があるのでしょうか。
時代が進んで現代に戻る、というわけでもなさそうです。

そこにはまた別の異世界が広がっていると思われます。

それではまた次回。


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