コロナ下のぶらぶら旅 ささしまライブ駅その2  大人気 安兵衛青果はアジアの街角 今はなき牧野公設市場 歩道から生える不思議な御神木 そしてかっぱの話に耳を傾ける

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2020年 12月31日

大晦日になりました。
今年はいつもと違う一年でした。

お正月以来とうとう一度も海外に出ることはなく、
それどころか国内旅行にすら行くことなく、
旅とはまったく縁のない一年でした。

本心でいうと、仕方なくはじめたのがBSTです。
海外で、インドやタイでぶらぶらしていた感覚のまま、
日本の、しかも住んでいるところから近い場所を
ぶらぶらすることはできないだろうか。

そう思ってはみたものの、
なかなか重い腰を上げることはできませんでした。
いまさら近所を楽しむことができるのだろうか。

ところがやってみると意外におもしろいことがわかります。
まずもって近所なので交通費があまりかからない。
地下鉄や近郊鉄道などの数駅分の交通費で済んでしまう。

感染予防の観点から、むやみに店に入ったり、
食事をしたり、食べ歩きをすることがないので、
購買費がかからない。
お昼をまたぎそうなときは、おにぎりを持っていく。

もちろん泊まらないので宿泊費もかからない。

とにかく費用がかからないので、
その分気楽にぶらぶらすることができます。

楽しかったらもうけもの。
今ひとつでも費用がかかっていないからまあいいか。

そうやってぶらぶらとしていると、
意外に近所にも旅の香りが散らばっていることに気が付きます。

いつもと同じ場所でも、
いつもと違う視点で眺めて、
そして少しだけ妄想のエッセンスをふりかけるだけで、
鼻をくすぐるような、芳醇な旅の香りがしてくるのです。


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前回は、ささしまライブ駅からささしま米野歩道橋を渡り、
近鉄米野駅前から笈瀬本通りを中ほどまで歩いてきました。


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願生寺の先に市場のような賑わいを見つけました。


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八百屋ですね。
無造作に並べられた段ボール箱やプラスティックかごに、
野菜が投げ込まれています。

並べてある、というよりは放り込まれている、
積み上げられている、箱を開けたまま放置してある
という表現がぴったりです。

値段も安いです。


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安兵衛青果というお店です。
なんとなく賑わいのない笈瀬本通りの中では、
異次元に近いくらいの活気ではないでしょうか。

まずもって値段が安い。
そして家賃の安い名古屋駅の駅裏という立地からか、
アジア系外国人のお客が多いです。
まるでアジアの街角です。

彼らにとっては
少しでも家計を節約したいという思いがあるのでしょう。
同時にこういった路面店、
無造作に商品が積み上げられたような店の方が
なじみがあるということなのでしょう。

BSTでは人が多いところに近づきませんので、
これ以上店内には入りません。


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安兵衛青果のはす向かい、
笈瀬本通りを挟んで北側に、
牧野公設市場の看板がある建物があります。

公設市場とはその名の通り、公共の建物や土地の上に、
行政主導で市場が作られたものです。

全国各地にありますが、
一番有名なのはこの牧野公設市場とは一文字違いの、
牧志公設市場(那覇市)ではないでしょうか。

ちなみに日本で最初の公設市場は名古屋市に設けられたそうです。
名古屋市は公設市場発祥の地ということになります。


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牧野公設市場に隣接して、市営笈瀬荘という共同住宅があります。
隣接してというよりも、
市営笈瀬荘の一階部分に公設市場があるという感じです。

共同住宅の一階部分が市場になっている。
ここにも旅の香りを感じます。


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※香港
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※ベトナム ホーチミン

アジアをぶらぶらしていると、
よくこうした風景に出くわします。

今まさに成長、発展している国では、
人口の爆発ほどには住居が供給されません。
したがって庶民は狭い共同住宅に、
多人数で暮らすことになります。

人々が密集しているので、その旺盛な食欲に合わせて、
まわりに市場や飲食店が発展していきます。

共同住宅に市場が隣接していることは、
その土地が今まさに発展、成長していることの
バロメーターになります。

しかし残念ながらこの牧野公設市場は閉められているようです。
いつ閉められたかもわからない格子のシャッターから
中をのぞいてみると、
がらんとした床と、むき出しのコンセントが見えるだけです。

笈瀬本通りのあるこの地域の人口が減っていったのか、
郊外の大型ショッピングセンターにお客をとられたのかはわかりません。
日本全体の少子高齢化と関わりがあるのかもしれません。

今では安兵衛青果に人が集まっています。
それは主にこの地区に住む外国人です。
外国人が多くなることによって、
再びこの地区に活気が戻ってくるのかもしれません。

個人的にはそうなればおもしろいなと思いますが、
おそらく現実的にはおもしろいだけでは済まされない
いろいろな問題がでてくるのでしょう。


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市営笈瀬荘からすぐ北側の交差点の角に、
不思議な空間が見えてきます。

近寄ってみると須佐之男神社と書いてあります。
神社自体はとりわけ特徴的なものはありませんが、
その脇の歩道の真ん中から、なんと御神木が生えています。

おそらくもともとは同じ敷地内であったであろう、
お社と御神木。
道路を拡張する時に御神木を切り倒すわけにもいかなかったのでしょう。
結果として神社と歩道の間に柵が設けられ、
御神木は外に出されたような感じになり、
まわりに歩道が敷かれたのだと思います。

この不思議な空間、ちょっとした異世界に出合うことは、
旅の楽しさの一つです。


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須佐之男神社の北側にかっぱ像があります。
かつて川でおぼれている子供を助けた
「人助けのかっぱ」だそうです。

その案内板にある興味深い記述を二つ。

1、笈瀬川は今の笈瀬本通りであること。
2、笈瀬本通りが実は商店街で、今はかっぱ商店街になったこと。

前回、米野駅前で笈瀬川筋散策路という看板を見ましたが、
地図を見ても笈瀬川を見つけることはできませんでした。
それもそのはずです。
いまでは笈瀬川は笈瀬本通りになっているのです。

笈瀬川は埋め立てられたのか、流れを変えられたのか、
今でも地下の暗渠を流れているのかはわかりません。

もしも地下の暗渠を人知れず流れているのだとしたら、
笈瀬本通りを歩く僕の足元で、地下深く、
静かに笈瀬川が流れているとしたら、
そこには今でもかっぱがいるのでしょうか?

そして須佐之男神社の御神木。
脇の歩道の真ん中から生えたようになっている御神木。
その根は地下の笈瀬川にまで伸び、
今でも水分と養分を吸い続けているのでしょうか?


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笈瀬通の交差点まで来ると、
ひとまず笈瀬本通りは終わりです。
BSTでも北上はここまでです。


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この交差点にもかっぱ像があります。
銘板には「かっぱ商店街」の文字が。

「そうさ、俺はかっぱ。かつてこの笈瀬本通りが
笈瀬川だったころからここに住んでいる。

とはいっても今はもう地上に川はないから、
地下に流れる笈瀬川にいるんだけどな。

ここで会ったのも何かの縁。
おまえのもう一つの疑問に答えよう。

笈瀬本通りは実は商店街だった。
想像つかないかもしれないけど、昔はけっこう賑わってたんだぜ。
商店街ってくらいだから、商店の数ももっと多かった。

でもな、だんだん寂れて行って、
今ではご覧のとおりさ。

俺にはわかってるんだ。
なんで商店街が寂れてしまったか。

川だよ、川。笈瀬川。

俺はかっぱだからな。よくわかる。
水は命の源だ。
水の流れは命の流れそのもの。
いわばその土地の血の流れってとこだな。

その血の流れが淀んだり、滞ったり、汚れたり、
ましてや無くなってしまったらどうだ?

栄養が行かなくなって、酸素が行かなくなって、
やがて死んでしまうな。

ここもそうさ。
笈瀬川をなくしてしまったら、
ここも死んでしまった。

だからもし、
もう一度ここに賑わいを取り戻したいんだったら、
かっぱ商店街っていうrenamingもいいけど、
まずは川を取り戻せ!

道の真ん中にどーんと溝を掘って、
そこに水を流せ!

笈瀬川をもう一度ここに流せ!

そうしたらここにまた命の流れができる。
栄養が、酸素が行きわたって、
土地がよみがえる。

そうしたら俺たちも地下から出てきて、
また「人助けのかっぱ」になってやる。
宣伝だろうが広告だろうが、
呼び込みだろうが、なんでもやってやるぞ。

KSG(Kappa Shoten Gai)48なんてどうだ?

須佐之男神社の御神木もきっと満開の花を咲かせるだろう。

かっぱには水辺がお似合いなんだぜ」

饒舌なかっぱに別れを告げ、
この後は、笈瀬本通りの一本裏道を通りながら、
近鉄米野駅に戻ります。

See you next time!

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